NNNドキュメント11月17日放送の『 由美子ちゃんのおべんとう』のネタバレ内容
愛媛県西予市にある1000人の街に住む由美子ちゃんこと宇都宮由美子さん55歳。
京都から、この町のミカン農家に嫁いできましたが、11年前に旦那さんが亡くなり、山を辞める決意をします。
そして、子供が独立した後の自分の人生を考えた時に、人のために何かしたいと思います。
その想いを形にしたのが、ゆめさく屋でした。
看板の日替わり弁当はボリュームたっぷりで500円。
惣菜は100円から300円で、弁当の宅配もしています。
由美子ちゃんが向かったのは、一人暮らしをしている81歳のこうめちゃんの家です。
玄関ではなくリビングの窓から声をかけ、宅配の弁当を渡します。これが彼女の日常です。
去年の西日本豪雨は、この街にも被害をもたらしていました。
街で唯一のスーパーが撤退を余儀なくされ、由美子さんは決断を下します。
ゆめさく屋を、弁当屋からミニスーパに変え、さらに車での移動販売も始めました。
行く先々でお年寄りが集まり笑顔が広がっています。
去年の大晦日、由美子ちゃんはおせち料理を渡すために、こうめちゃんの家をたずねました。
大盛りの料理を見てこうめちゃんが、これいつまでの、食べられるかなと言います。
料理はゆめさく屋の営業が再開する1月6日までのものでした。
ついでに玄関の正月飾りをつけて、2人でお茶をのみながら、こうめちゃんが、来年も私を見捨てんといてと言い、由美子ちゃんはハグをします。
今年の3月、こうめちゃんは入院をしました。
1週間後に退院をしたというので、由美子ちゃんが顔を見に行くと、元気になった彼女の姿がありました。
実は、こうめちゃんが入院した時にも由美子ちゃんはいました。
しんどいと言うこうめちゃんが心配で、いつものリビングの窓から家の中に飛び込んで、すぐに電話を掛け、そのまま入院になったそうです。
最後に、由美子さんを支えているものを聞きました。
すると、みんなの想いという答えが帰ってきます。
職業病で指先は割れてしまってくっつきません。
まかないがレトルトの時もあります。
でも、待っていたよと言われると嬉しいそうです。
NNNドキュメント11月17日放送「由美子ちゃんのおべんとう」の感想
由美子さんは、旦那さんが亡くなり、将来自分が一人になると気づいた時、今の商売を始めます。
そして去年の西日本豪雨の後、お客さん達のことが頭に浮かび、新たに移動販売も始めます。
そのエネルギーと使命感は、いったいどこから生まれてくるものなのでしょうか。
彼女はいたって普通だと答えていますし、悲壮感や必死さといったものは感じません。
しかし、必要とされることをそのまま応えられる人はなかなかいません。
彼女がしていることは、行政の仕事といっても過言ではありませんが、実際には人手にしてもお金にしても、そこまで手が届かないことが現実です。
だからこそ商売であっても人は感動するのです。
だからこそ、そこに笑顔が溢れているのです。
NNNドキュメント「由美子ちゃんのおべんとう」のこうめちゃんが切ない
こうめちゃんが、帰ろうとする由美子ちゃんを、引きとめて淋しがるシーンです。
こうめちゃんは、1人になるのとつぶやき、口をへの字に歪める。
その表情はまるで3歳の子供が、お母さんにダダをこねているようでした。
一人になるのが怖いのでしょうか。
しかし、由美子ちゃんには、また配達が残っていて行かなければいけません。
すこし時間をかけ、体をさすりながら説得すると、納得したのか笑顔を見せてくれました。
由美子ちゃんが帰る時、いつもこうめちゃんは、窓から車が見えなくなるまでこちらを見ているらしい。
その時の由美子ちゃんはいったいどんな気持ちなのでしょうか。
こうめちゃんのような高齢者は、田舎だけではなく都会にもたくさんいます。
そこに由美子ちゃんはいないのです。
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